実績

■季節の写真 (過去の写真はこちら写真(c)木原浩

夏の日を淡しと思ふ額の花  野村泊月


写真家の木原浩さんにガクアジサイの写真をご提供頂きました。

ガクアジサイは漢字で額紫陽花と書きます。この「額」は小学校で習った花の「がく」(花びらの付け根の葉)という説と額縁に飾ったように美しいあじさいという説があるようです。

「紫陽花」は,白楽天が名付けたそうですが,ライラックに付けた名前を源順があじさいと勘違いして広まったという説もあるようです。これは紫陽花が日本原産であるためです。

白楽天の「紫陽花」という詩は「何年植向仙壇上 早晩移栽到梵家 雖在人間人不識 与君名作紫陽花」というものです。高校以来の漢文知識で読み下すと「何れかの年に植えて仙檀の上に向かう 早晩移栽して梵家に到る 人間に在ると雖も人は識らず 君がため名を紫陽花となす」というところでしょうか。

仙檀とは仙人のいる場所,梵家は意味が取りにくいですが梵天(ブラフマン)の家で寺という意味と取ります。そこで,現代語訳を「かつて仙人のいるような山奥に植えられていたが,いつのまにかお寺の近くでも見られるになった。人がいる場所に咲いているのに,皆,気が付いていない。そんな君のために紫陽花という名前をあげよう。」としてみました。(平成27年6月,神戸)