写真家の木原浩先生にみかんの写真をご提供頂きました。
「みかん」といえば,漱石より,芥川龍之介の小品が思い浮かびます。
芥川は,「私」の心象を含めたそれまでの情景を,寒々と灰色で描いたあと,少女が見送りの小さな弟たちに投げかける蜜柑を陽光に輝かせます。「杜子春」と並び,幼いころから何度も読んだ,忘れられない芥川作品です。
(2021年2月 岡)